第14話「恋と彼女とジャPAニーズ」
[box03 title=”第14話「恋と彼女とジャPAニーズ 」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
2学期が始まり、気分良く登校していつもの教室の席に座った。
久しぶりに合うクラスメートは、日焼けした奴、相変わらず青白い奴、茶髪にした奴と様々だった。
あちらこちらで机の周りに輪が出来て、お互いに夏休みの話で盛り上がっていた。
僕も仲間と夏休みの話をしたが彼女が出来た事はまだ秘密にした。
根掘り葉堀り聞かれるのが嫌だったからだ。
その日から学校が終わると毎日デートをした。
朝は早起きをして、一緒に通学をし、帰りは遅くまでデートをして家に帰れば長電話をする。
それでも時間が足りなかった。
ずっと会っていたい!
ずっと話していたい!
今何をしているのかを知りたい!
恋に落ちるとはこういう事だとその意味を知った。
付き合って3週間目に横浜の山下公園でデートをして、公園の左から2番目のベンチで氷川丸を見ながら初めてのキスをした。
このまま時間が止まって欲しかった。
そんな気持ちを詩にして彼女に聞かせた。
付き合って3ヶ月後に僕の部屋で初めての経験をした。
お互いに初めてでぎこちない愛の形だった。
年末には互いの両親にも紹介を済ませて公認の付き合いになる。
年が変わり1月には僕が、2月には彼女が誕生日を迎えお互いに17歳になった。
付き合って1番変わったのは服装だろう。
1年前は、スラックスにハイネックにVネックのニットと言う、悪い兄ちゃんみたいな格好だった。
それが、真っ赤なバギーパンツに、白いパーカー、Gジャンを重ね着して派手な格好になった。
それは彼女とのペアルックで、一緒にDISCOにも着て行った。
もともと、そのような格好を田原俊彦のバックダンサーをしていた「ジャPAニーズ」と言う4人組がしていた。
「吉野明男(ボビー吉野)」「板野俊雄(板野のトシちゃん)」「細野謙治(トミー)」「乃生 佳之(のおちん)」の4人である。
僕はその、ジャPAニーズに憧れていた。
クラスメートと皆で田原俊彦とジャPAニーズの振り真似をしている時間がとてつもなく楽しかった。
彼女がいる。
学校やDISCOでダンスを楽しく踊る毎日。
「1年前が嘘のような」幸せな高校生活に変わっていた。
「青春」なんて言葉は古臭いが、振り返って見ればこの時が一番青春を謳歌していたのかも知れない。
このまま何も無ければ、踊りが好きなサラリーマンか料理人になり彼女と結婚をしていた事だろう。
しかしこのあと、人生は加速度をつけて急激に思いもしない方向に進み始めるのだった。
高校2年17歳の冬だった。
懐かしい「田原俊彦」さんの歌声は↓コチラから
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