第61話「彼女の夢と僕の夢」
[box03 title=”第61話「彼女の夢と僕の夢」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
歌謡大賞の翌日も普段通り学校へ行った。
二子玉川駅で彼女と待ち合わせをして通学をする。
「おはよう! 昨日出てたね! 」
といつもの笑顔で笑って言った。
僕は知っている。
テレビ画面を目を皿のようにして見ても何処にいるのか解らない程小さく映っているはずの僕を彼女は必死に探して見てくれている。
そう思うと、とても意地らしく思えた。
歌謡大賞でマッチのバックで踊った後はバタバタであった 。
出演が終わると、番組が終わる前に急いで帰宅するようにジャニーさんに言われた。
関係者出入り口での混乱を避ける為と、控え室を開けてスタッフの撤収作業に協力するためだ。
仕事の余韻に浸る事もなく直ぐに帰宅した。
「もうすぐ12月だね。」
と満員電車の中で彼女が言った。
我に帰る。
12月と言えばクリスマスだ。
サラリーマンに囲まれた揺れる電車の中で彼女は上目遣いで聞いてきた。
「クリスマスはどこかに行く? それとも一緒に部屋で過ごす?」
とクリスマスをどう一緒に過ごすかを楽しそうに話している。
「クリスマスイブは絶対一緒に過ごそうね!」
と笑った彼女の顔がとても切なかった。
「そうだね」
と言って彼女を引き寄せ腕の中で抱き締める。
願いを「かなえてあげられない」気がして、切ない気持ちになった。
その予感は当たった。
彼女の笑顔を裏切る事になる。
12月の最初の日曜日のレッスンで、ジャニーさんからスケジュールを告げられた。
「ユーたち全員、12月26日27日の2日間はマッチの武道館コンサートに出てもらうからね!」
ジャニーさんは嬉しそうにみんなに言った。
当然クリスマスはリハーサルで潰れる事になる。
コンサートではマッチのバックで何曲も踊る事になった。
メインのバックは少年隊が勤め、少年隊ジュニアとジャニーズジュニア全員が武道館のステージを所狭しと踊るのだ。
スクールメイツも出演するので、当然ジャニーズだけのリハーサル以外に合同のリハーサルも入る。
クリスマスどころか、12月後半は会う事すら出来ないかも知れない。
そして、それだけではなくFNS歌謡祭、日本レコード大賞もシブがき隊のバックで出演する事になった。
仕事が決まり嬉しいが、彼女の夢は叶えてあげられない。
ひんやりとした師走の風は彼女の笑顔を奪う事になるだろう。
それでも僕は踊る事を選んだ。
今年は、彼女の夢は叶えてあげられないけれど、来年は必ず・・・。
僕の夢をかなえる事によって、必ず彼女を幸せにしてやる。
そう思った。
高校生最後のクリスマスは彼女ではなくジャニーズジュニア達と過ごす事になる。
■ この物語の始まり ■
■ 彼女との出会い ■
■ ジャニーズに入った時の話 ■
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