第11話「マッチと彼女とアルバイト」前編
[box03 title=”第11 話「マッチと彼女とアルバイト・前編」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
高校生になって2回目の夏を迎えようとしていた。
始めてのDISCO体験以来、病みつきになって毎週のように通ってる。
渋谷、新宿、六本木、と場所は変わっても目的は変わらない。
踊りが上手くなる事、踊りが上手な人を見つけて真似をする事だった。
「ダンスが上手くなりたい!」
そんな気持ちしか無かった。
一緒に行った仲間には「ナンパ」を目的にしている奴もいたが、僕には興味が無かった。
それよりはDJと親しくなり新しい曲やノリの良い曲を教えて貰った方が楽しい。
DISCO通いに明け暮れているうちに1学期も終わろうとしている。
そろそろ夏休みに備えてアルバイトを探さければならない。
昨年は最寄り駅近くにある市場で時給500円で、朝から野菜や果物、魚に干物などの荷卸しや販売の仕事をして働いた。
野外なので冷房も無く、風通しも悪く、暑さも半端ではない上、平均年齢50歳越えのオジさん、オバさんだらけの過酷な労働現場だった。
今年は御免被りたいと思った。
しかし履歴書を書いたり、面接しに行くのは面倒くさい。
そう思っていた矢先、母親からアルバイトの打診をされた。
母親は最寄り駅近くのスーパーにある惣菜屋で働いている。
聞く所によれば大井町線の自由が丘店で人手が足りず、夏休みだけのアルバイトを募集をしているとの事だった。
母親を泣かせた1件もあり顔を立てられると思ったので心良く承諾した。
これが運命的出会いの始まりになる。
期末テストが終わり、夏休みに入る前に友人と美容室へ行った。
「マッチみたいな髪型にして下さい! 」
そう言って、ソフトパーマをかけてみた。
当時はマッチがデビューして毎日のようにテレビに出ていたが、そのヘアースタイルもブームになっていた。
真ん中分けで、左右が耳元に向けて流れて行くようなパーマで、サイドはツーブロックのように刈り上げている。
一方、女の子は松田聖子の「聖子ちゃんカット」が人気になっており、当時の女性は、皆同様のヘアースタイルをしていた。
夏休みに入るとすぐに、アルバイトを始めた。
デパートの中の惣菜屋で、冷房も利いていて快適な空間である。
仕事の内容はサラダやコロッケ等の惣菜を、おもに主婦を相手に量り売りをする仕事だ。
夕方になると忙しさは半端ではないが、慣れてしまえばどうと言う事は無かった。
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