Johnny's

第67話「近藤真彦in武道館ゲネプロ」

たけJI

[box03 title=”第67話「近藤真彦in武道館ゲネプロ」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


「場当たり」のリハーサルが終了した。

「それでは、ここで一旦休憩に入ります!」

と、マイクを通してスタッフの声が武道館の中に響いた。

ジャニーズジュニアの面々はぞろぞろと楽屋に戻る。

楽屋に戻ると、すぐにジャニーさんが段ボール箱を持って入ってきた。

「ユー達! ちょっと手伝って!」

と言われ、ジュニアの何人かが楽屋の外へ行き段ボールを抱えて帰ってきた。

中に入っていたのは衣装である。

全員分の真新しい衣装もあれば使い回しの衣装もあった。

黄色いNIKEの上下のトレーナーと短パンは全員に配られた。

これが、フィナーレ「ハイティーンブギ」の衣装だった。

ジャニーさんは忙しそうに、でも楽しそうに衣装を見ては配りはじめた。

「ユーはコレ着ちゃいなよ!」

「これなんか、ユーが似合うんじゃない?」

などと言っては、衣装を選別して、お気に入りのジュニアに配っている。

衣装を受け取ったジュニアはワイワイ言いながら試着する。

「えーっ、似合わなくない?」

「これ、大きいよー!」

等と言いながらも楽しそうだ。

コンサートのリハーサル直前である事を忘れてしまいそうな光景である。

ジュニア達が受け取った衣装を試着してから楽屋や通路に並べて置いていく。

衣装をセッティングしているのだ。

本番が始まれば、数分で着替えて、すぐにステージに出ていく。

それの繰り返しになる。

その事を解っているジュニアは、着用する順番に着やすいようにして衣装を並べていく。

長ズボンは脱いだ状態で置いておくと、足を入れるだけで履けるので早替えの時間短縮に効果がある。

Tシャツやトレーナーなども同様で、脱いだ状態で衣装を重ねていくのだ。

経験の浅いジュニアは出番が少ないので衣装も少ない。

準備の仕方も解らないので、折り畳んだままになっている。

この状態では、早替えはできない。

こんな事も教えるのではなく、自分が衣装替えが間に合わなくて、怒られて、初めてどうすれば良いのか答えを見つける。

単純に先輩のやっている事を真似れば良いだけだ。

その事に気が付く前に辞めて行ってしまう者もいる。

或いは、初めてでも真似て出来てしまう要領の良い者もいる。

そんな者は、大概チャンスに恵まれ、スターになっていく。

こんな所にもジャニーズジュニアの中で成功を手にできる限られた者たちが篩にかけられている。

ジャニーさんはそんな様子も見ているのかもしれない。
   
数分後には、ゲネプロリハーサルが始まる。

ゲネプロリハーサルとは、本番と同じように衣装、照明、音楽、舞台装置を稼働させ、始まったら、終わるまで止めずに行う事だ。

本来は、オペラやバレエ、演劇などの舞台芸術やクラシック音楽において、初日公演や演奏会の本番間近に本番同様に舞台上で行う最終リハーサル、「通し稽古」のことを意味するらしい。

ドイツ語のGeneralprobe(ゲネラールプローベ)の略なのだそうだ。

テレビや舞台に出演させて貰ったおかげで、こんな業界用語も覚えた。

僕は楽屋や通路を行ったり来たりして衣装のセッティングに不備がないかを確認していた。

「すみません! これさっき落としませんでしたか?」

と、声を掛けられた。

振り向くと、黒いスエットを着た優しそうな男性スタッフが腕時計を届けに来てくれた。

お礼を言って、受け取った腕時計を見ると通し稽古の始まる時間になっていたので急いでカバンの中に納めた。

カバンに仕舞ったと同時にアナウンスが流れた。

「それでは、5分後にゲネプロリハーサルを始めます!」

定刻時間通りに通し稽古が始まった。

お客さんがいない本番のようなものだ。

音響、照明、舞台装置、スタッフ、バンド、マッチ、少年隊、スクールメイツ、ジャニーズジュニア、、、

「近藤真彦 IN 武道館」に関わる全ての人の最終リハーサルである。

万全の体勢で1曲1曲消化していく。

衣装の早替えや小道具の持ち出し、振り付けの確認、ステージ上での位置の確認、出捌け場所の確認など全て順調に消化していった。

約2時間。

ノンストップで本番通りのステージをこなした。

流石にくたびれる。

それもそのはずで、ステージから降りたら、その裏を全力疾走して楽屋付近に戻る。

客席から見えない場所で衣装の早替えをして、再び全力疾走でスタンバイの場所に行く。

そして、ほぼ全力でステージに駆け上がり、全力で踊るのである。

それを2時間の間、何回も繰り返したのだから当然だ。

真冬なのに、冷えたポカリスエットが美味しかった。

怠さと睡魔が襲ってくる。

脱ぎ捨てた衣装を片付ける前に椅子にもたれて放心状態になっていた。

間もなくスタッフが弁当を運んでくれた。

流石にこれだけ動けば腹も減る。

用意された弁当にガッついた。

それを食べて衣装を片付けた。

一息つこうと思った頃には客入れが始まった。

「えっー! もぉ? 」

時間が経つのが矢のように早い。

「しょーが無い! やるか!」

そう言いながら各自準備に入る。

楽屋を見渡す。

オープニングで着る衣装に着替えて落ち着きなくしている者。

ゆっくり座っている者。

ストレッチをしている者。

そしてまだ着替えもせずに談笑している者。

ジュニアの中にも色んな者がいる。

彼ら全員が、仲間であり、ライバルでもある。

不思議な関係だ。

みんな、一人ひとりが、いつスターになってもおかしくない。

それが、ジャニーズジュニアだ。

バラバラな行動をしていた皆だった。

しかし10分前を告げるブザーが鳴ると皆が一様に闘志をたぎらせスタンバイに入った。

気持ちが一つのベクトルに向いた瞬間だった。

「近藤真彦 in 武道館」の成功!

皆が思っていることは一つだった。

第66話 ‎武道館「ハイティーンブギ」リハーサル
第68話「マッチを乗せたお神輿」執筆中

■ この物語の始まり ■

https://akiramenaix1.com/%E7%AC%AC1%E8%A9%B1%e3%80%80%E3%80%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%B9%E3%80%8D/

■ 彼女との出会い ■

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■ ジャニーズに入った時の話 ■

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