第15話「運命を変えた1通の手紙」
[box03 title=”第15話「運命を変えた1通の手紙」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
その日、学校から帰ると僕は2階にある自分の部屋で服を着替えていた。
彼女は学校で用事があるため今日は会えない。
夜に電話をするまで久しぶりにギターでも弾こうかと思っていた。
着替え終わって「何か飲もう! 」と、2階から階段を降りている時だった。
玄関の郵便受けに「カッコン」と郵便物が投函され、原付きバイクの走り去る音がした。
「郵便配達か?」
独り言を言って郵便受けを覗くと2~3枚の郵便物があった。
普段はほったらかしにするのだが、目の前で投函されれば気になる。
取り敢えず郵便物を手に取った。
1枚目、2枚目共に親父宛ての郵便物だった。
そして3枚目の1通は「真っ黄色の派手な封筒」だった。
「何かの広告かな?」
そう思いながら宛名を見ると僕の名前が書いてあった。
「んっ? 何だろう? 」
手紙の裏面にある差出人を見た。
「株式会社ジャニーズ事務所」
と記載されていた。
「はっ? 」
他の郵便物を玄関の棚に放り投げて、急いで2階の自分の部屋に戻った。
ハサミを使って丁寧に開封をする。
中には三つ折りにされた「1枚の手紙」が入っていた。
それを取りだして見る。
印刷されたプリントだった。
タイトルにはこう書かれていた。
「ヨッちゃんバンド、メンバー募集!」
そして「ヨッちゃんこと、野村義男がバンドのメンバーを大募集しています。つきましてはオーディションを行います!」
とあり、その下に場所は赤坂TBSホール、そして時間などが記されていた。
「オーディション?」
もちろん、生まれてからオーディションなど受けた事はない。
一体なんで送られて来たのだろうか?
この時はまるで見当がつかなかった。
高校1年生の時に友達と履歴書を送った事などすっかり忘れていた。
書面には「得意な楽器の腕を思う存分、披露して下さい」とあった。
とりあえずギターは弾けるが、ストロークが出来る程度である。
自分で弾き語りをするなら良いが、バックバンドが出来る程の演奏の技術は持ち合わせていない。
アルバイトをして購入した「モーリス」のフォークギターと「グレコのジェフベックモデル」と言うエレキギターを持っているだけだ。
もっぱら作詞作曲して歌っている程度である。
受けるべきか迷った。
それが全ての始まりだった。
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