第48話「真っ黄色の衣装」
[box03 title=”第48話「真っ黄色の衣装」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
当日は港区芝公園内の東京タワー下にある「テレビ東京」で収録が行われた。
そこに行くのは初めてだった。
坂道を上がって行くと、多くの若い女の子のファンが沿道を埋め尽くして待っていた。
ほとんどがシブがき隊のファンである。
そのファンの前を通るのはやはり苦手だ。
上から下まで品定めするようにジロジロ見られている感じがするからだ。
そう感じるだけであって実際は目当てのジュニア以外にまるで興味は無いだろう。
その中から、なおみとななみの二人がひょんと姿を現した。
「おはようございます!」
と二人が揃って言う。
僕は軽く挨拶をした。
「今日は抽選漏れてスタジオに入れないんですよ!」
となおみが言った。
知らなかった情報をファンの娘から知る事も多い。
この日の収録は限定入場による公開録画なのだそうだ。
ハガキなどで応募して当たった人だけがスタジオに入って観覧出来るらしい。
こう言う時には二人の存在に感謝の気持ちが沸いてくる。
まるっきりファンがいないのも寂しいものだ。
少しだけ、大勢の視線を浴びながら芸能人になった気分になる。
立ち止まって少し言葉を交わす。
そして渡されていた質問ノートを2人返した。
「えーっ、もう書いてくれたんですか! ありがとうございます!」
と言いながら、二人とも目を輝かせていた。
こんなに喜んでくれるとは思わなかった。
僕は「じゃぁ」と言うとテレビ局に向かって歩き出した。
「頑張って下さい!」
と背後で声がした。
振り向いて手を振った。
テレビ東京に入る。
受付の人に挨拶をする。
ジャニーズジュニアである趣旨を告げると、楽屋の行き方を案内された。
この頃のテレビ局では、「おはようございます! ジャニーズジュニアです!」
と言えば、大体ノーチェックで局内に入れた。
一般の方は入れないだろうが、チャラチャラした派手目の格好をした少年が2~3人で挨拶をすれば疑われる事は無かった。
楽屋口に行くと「ジャニーズ・ジュニア様」と書かれた紙が貼られていた。
入り口の扉には当日のスケジュールが分刻みでびっしりと書き込まれている。
「おはようございます! 」
と言ってドアを開けて楽屋の中に入った。
入ると既にジャニーさんが慌ただしそうにしていた。
何人かのジュニアを衣装に着替えさせている。
目が合うと挨拶もそこそこに言った。
「ユーも衣装に着替えちゃって!」
そう言って渡されたのは「NIKE」の「まっ黄色のトレーナーと短パン」だった。
足のサイズを聞かれて答えると黄色いスニーカーと白いハイソックスも渡された。
「全身まっ黄色」のまるで少年サッカーチームのような格好だ。
「えっ?これ、衣装?」
と思ったが口には出せなかった。
「ジャニーズジュニア」が団体で着ているから、まだ着れるが、決して一人で着て外を歩くのは躊躇うような色合いだった。
次々と他のジュニアが到着し皆、真っ黄色の衣装に着替える。
全員が揃った頃には収録の時間が迫ってきていた。
急いでスタジオに向かう。
中に入るとステージのセットが組まれいた。
客席は女性ファンで埋め尽くされていたが、異様に静かだった。
直ぐに理由が解った。
ステージ上で「シブがき隊」の「やっくん」「もっくん」「ふっくん」と「少年隊ジュニア」がダンスの練習をしていたからだ。
真剣な表情で、「ワン、ツースリーフォー」と、シブがき隊の3人が少年隊ジュニアに振りを聞いていた。
ファンの娘たちは、その様子を固唾をのんで見守っていたのだ。
マイクを通した大きな声が響いた。
「それではジャニーズジュニアの皆さん、スタンバイして下さい!」
ディレクターの声だった。
みんな順番にステージに上がると客席からは黄色い声援があがった。
ステージ上でシブがき隊と少年隊ジュニアの4人がジャニーズジュニアに挨拶をしてセットの階段にスタンバイをする。
いよいよ本番が始まろうとしていた。
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