Johnny's

第91話「ジャニーズイムズと三好圭一」

たけJI

[box03 title=”第91話「ジャニーズイムズと三好圭一」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


緑山スタジオの玄関を入ると受付の近くにアシスタントディレクターの人が待っていた。

「ゴメンね! 急にオープニングの撮影でどうしても入って貰わないといけないシーンがあってね!」

とジーンズにトレーナー姿のアシスタントディレクターが言った。

「いえいえ、こちらこそ遅くなってしまって申し訳ありませんでした!」

「じゃあ、とりあえずこっちへ!」

と言うと、歩きながら手にしたトランシーバーに向かって「洋次、到着しました!」と言った。

そのトランシーバーから「了解!」と返事が返ってきた。

そのまま一度楽屋へ行き荷物を置いて、すぐにスタジオの脇にあるメイク室に案内される。

「おはようございます!」

挨拶をして入ると衣装さんが「おお洋次!間に合ったか!」と気さくに喋りながら作業着の衣装を持って来てくれた。

僕はその作業着に着替えて、今度はメイクをするように言われた。

メイク室に座るとショートカットの女性がドーランとスポンジを持って来てくれた。

「塗りかた解ります?」

と聞かれたので「いいえ!」と答えた。

すると手際よく、スポンジを濡らしドーランの蓋を開けて肌色の塊をなぞるようにスポンジに付着させて僕の額に塗った。

「最初にオデコに塗って、それを伸ばすように鼻筋、瞼や目元、頬、耳の横、とまんべんなく、上から下に塗って行って下さい!」

と説明しながら塗ってくれた。

「上から下に塗っていくとムラが出来にくいし、色の濃さも均一になるから解りやすいと思うんだけど!」

と顔を撫でるように塗っていく。

「そして仕上げに!」

と言ってパフを取り出した。

「白粉(おしろい)を全体的に叩きながら押さえるようにして塗ったら出来上がり!」と言って白粉を塗った。

ドーランを塗っただけの顔をマジマジと見た。

それだけで朝倉洋次と言う別の人間になった気がした。

楽屋に戻ろうと挨拶をしてメイク室を出るとスタジオの扉が閉まっている。

扉には模造紙が貼られタイムスケジュールがびっしり書き込まれていた。

終わったシーンは赤マジックで二重線がひかれている。

それを確認して楽屋へ戻った。

楽屋は若葉寮のメンバーの私物が散乱している。

奥にはモニターがあり、今撮影中の様子が写し出されていた。

スタッフが右往左往している。

「間もなく本番です!」

と言う声が聞こえた。

楽屋のモニターで撮影風景を眺める。

「本番10秒前、9、8、7、6、5秒前!」

5秒前までカウントダウンしていく。

モニターの中では河西壮太役の矢崎滋さん、その奥様役のイルカさんが若葉寮生の部屋に入ってくるシーンを撮影していた。

すぐそこのスタジオで収録されている様子をモニターで見ると、何だか妙な感覚にとらわれる。

テレビドラマの世界が目の前にあり、そこで行われている撮影風景を少し離れた部屋で見ている。

まだテレビで放送をしていないドラマのワンシーンを見ているのだ。

そして、自分もこれからその世界に入るのだ。

期待と不安が交差する。

不安なのは演技だ。

いきなりプロの役者さんに混ざって演技をする事が出来るのだろうか?

ジャニーズではダンスのレッスンは行うが歌や芝居のレッスンはしていない。

「踊れる人はセンスがあるから、感性で芝居は出来る!」と言うジャニーさんの信念に基づいている。

何のレッスンもしたことがない素人同然の人間が、カメラの前で堂々としていられるのは「ジャニーズと言う看板を背負っている」からだろう。

「やっぱり、ジャニーズの奴は違う!」

そう言われて、思われて、なんぼなのである。

いつの間にかそんな「ジャニーズイズム」が刻みこまれている気がした。

「普通の人になっちゃ駄目だよ! ユー達はみんなジャニーズなんだから!」

そんなジャニーさんの言葉が頭の中にこだましている。

ある意味「洗脳されている」のかも知れない。

ふと気が付くと、モニターは暗くなっていた。

そして、先程のシーンが流れ始めた。

チェックをしているようだ。

それが終わった。

「はい!OKです!」

と言う声が聞こえ、にわかにスタジオ内も外もガヤガヤと賑やかになった。

そして、足音と人の話し声が近づいて来た。

控え室のドアが開く。

「おお、洋次さん!」

とマスオが関西訛りで言う。

続いて「おはようございます!」とカンジとタカシが言った。

「おう、洋次!」とススムさんが言うと、次ぎから次へと若葉寮のメンバーが控え室に戻ってきた。

「あっ先輩! おはようございます!」

とヤスユキ役の三好圭一君が言った。

若干、生き生きしている気がする。

同じジュニアの中では、特別に目立つ存在では無かった。

しかし、一歩離れた世界に入ったからか、全体的に少し垢抜けて明るくなった気がした。

いや、ジャニーズジュニアの中にいる時より、10倍、20倍は輝いているように見える。

彼が、この現場や、この空間に合っていると言う事だろう。

僕は三好君の事を「ミヨシ」もしくは「ケイイチ」と呼んでいた。

撮影現場の様子を聞きたかったのでケイイチに聞いてみた。

「俺の事を待ってる時ってあった?」

「いえ、今日は朝からずっと第1話の撮影だけですよ!」

それを聞いて内心ホッとした。

スタッフはともかく、キャストには迷惑をかけてはいないようだ。

「オープニング撮影はスケジュールの合間を見て差し込むみたいですよ!」

「そうか! じゃあ良かった!」

ケイイチは屈託のない笑顔で頷いた。

彼がこんなに爽やかな笑い方をするとは今まで思わなかった。

ジュニアの中にいるときより遥かに輝いている。

ダンスレッスンの時よりドラマの撮影現場にいる方が仕事をしている気になれるからだろうか?

何はともあれ輝いているのは良い事だ。

同じジャニーズから出演して、くすぶっているより輝いている方が断然良い。

この後、三好圭一がTBSの顔になり快進撃をする事になるとはこの時は微塵も思ってもみなかった。

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