第64話「渋谷・制服・最後のデート」
[box03 title=”第64話「渋谷・制服・最後のデート」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
彼女と手を繋いでクリスマス一色の渋谷の街中を歩いている。
ただ手を繋いで歩くだけでワクワクするような気持ちだった。
センター街を抜ける。
スペイン坂を登るか左に曲がり宇田川交番前を通るか迷う。
「どっちがいい?」
と聞いてみる。
「あっち!」
と首を左に向けた。
左手は繋いだままで、反対の手には学生鞄を持っているので動かすのは首しかない。
ちょっと滑稽に見えたので笑った。
「何がおかしいの?」
と首をかしげる。
「しぐさ!」
と言った。
「ふん!どーせ私は変な仕草しかできませんよー!」
と言って握った手を離そうとした。
「可愛かったからだよ!」
と言って、手が離れないよう力強く握った。
黙って手を握り返してきた。
彼女は何も言い返さず、少し微笑んで前を向いていた。
東急ハンズの前に着く。
特に決まった目的がある訳ではない。
渋谷に来るといつも東急ハンズに立ち寄り一階から各フロアーを物色して歩くのが習慣になっていた。
しかし彼女が反対側にあるジーンズメイトに引っ張った。
今日は違う気分らしい。
二人して店内を物色する。
そこに珍しいディズニーのキャラクターの手編みのようなセーターを見つけた。
「あ~ミッキーだぁ!」
と言って繋いだ手を離し彼女が手に取る。
来年オープンする東京ディズニーランドを盛り上げるためか、最近この手のキャラクターグッズが増えてきたように思える。
「欲しい?」
と聞いて見る。
答える代わりに首をコクンと動かし頷いた。
棚を見ると手編み風のそのセーターは残りが2枚しかなかった。
Mサイズのブルーの縁取りのセーターとLサイズの赤い縁取りのセーターだ。
「逆だったら良かったのになぁ!」
と言って彼女を見る。
「じゃあ私が赤いセーターを買ってあげるから、明は私に青いセーターを買って!」
「なんか中学生のプレゼント交換みたいだな!」
と言って笑った。
お互いにレジに持って行きセーターを買った。
一緒に店を出る。
店を出て直ぐに「はい! クリスマスプレゼント!」
と小芝居をしてお互いのセーターを交換した。
目をキラキラと輝かせながら笑った顔がとても可愛かった。
心の底から笑っていた。
学生服姿でプレゼントの入った紙袋を持って渋谷の街中を歩いた。
学生服姿のカップルがいると必ず目があう。
ツッパリ風の太いズボンを穿いた彼と、長めのスカートの彼女。
坊ちゃん刈りで、黒縁眼鏡をかけた学生と、セミロングの黒縁眼鏡をかけた女学生。
スポーツ刈りで赤いディバックを背負った青年と、少し茶髪のショートヘアーの女子高生。
皆、目が合っても、笑って通り過ぎてゆく。
制服を着て、渋谷の街中を歩くカップルの暗黙の了解のような空気があった。
この時ばかりはどこのカップルも幸せそうにプレゼントらしき紙袋を持って2人だけの時間を楽しんでいた。
「みんな一緒だね!」
と彼女が言って笑った。
幸せそうな笑顔を久しぶりに見た。
この時、これが制服姿で過ごす高校生活最後のデートになるとは二人とも思ってもいなかった。
■ この物語の始まり ■
■ 彼女との出会い ■
■ ジャニーズに入った時の話 ■
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