第86話「桜中学大音楽会の舞台上にて」
[box03 title=”第86話「桜中学大音楽会の舞台上にて」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
どこからがドラマの世界でどこからが現実の世界なのだろうか?
僕は緑山スタジオの楽屋でモニターから流れる映像を見ながらそんな事を考えていた。
テレビで流される場面以外にも、モニターは流れ続けている。
スタジオの雰囲気がそのまま楽屋に伝わってくる。
ジャニーズの先輩である、俊ちゃん、マッチが歌う姿を見ながら不思議な光景を感じていた。
ただ一つ言えるのは夢のような空間で有る事には間違いない。
彼らは1年と言う時間を共有したクラスメートであり、同じ芸能界で共演した仲間である。
そして同じような経験をして1年B組、2年B組、3年B組とクラスや年代は違えど同じ桜中学の仲間として集まっているのだ。
「謝恩会」
まさにそんな空気が充満している。
しかし、その大半は有名になった芸能人である。
それでも、和気あいあいとした「仲間」と言う空気が各クラスごとにしていた。
楽屋にいる僕ら「オサラバ坂」の出演者は学生服ではなく「作業着」に着替えてモニターを見ていた。
コンコンとノックの音がし、ドアが開く。
「スタンバイお願いします!」
と、アシスタントディレクターの方が声を掛けに来た。
「はい!」
と、返事をし、僕らは楽屋を出てスタジオへ向かった。
スタジオの重い扉の中に入る。
先ほどまでモニターで見ていた謝恩会の空間に入った。
緊張感が全身を包みこんだ。
スタジオの中は、まだ謝恩会のような空気が漂っている。
そんな中で金八先生である武田鉄矢さんの台詞をきっかけに空気が変わる。
「今回、紹介したい人たちがいます!」
と言うとそれまでの宴の雰囲気がピリッと引き締まり張りつめた空気になった。
金八先生の紹介で矢崎滋さんに連れられて若葉寮生がステージに上がる。
それまで芸能人であり、スターである卒業生が歌い踊っていたステージの上に同じ作業着を着た10人の非行少年たちが一例に整列をした。
明らかに異様な雰囲気になった事が解る。
場違いな空気が流れる。
その空気は横一例に整列した若葉寮生全員が感じているだろう。
並んでいる僕にも横からの緊張感が伝わって来る。
それまでの空気が一変してスタジオ内の空気が少しピリピリしているのを全身で感じていた。
ステージの上からテーブル席に座る桜中学の卒業生を見る。
テレビで見た先生や100人以上の生徒たち。
ほんの一瞬だが、注がれる視線が全身に突き刺さる感じがした。
河西壮太役の矢崎滋さんが号令をかける。
その号令に合わせステージ上の若葉寮生が全員一勢に一礼して挨拶をした。
僕は頭を下げながら突き刺さる視線を嫌というほど感じていた。
そして整然と右を向き隊列を崩さぬように順次ステージから降りて行く。
たったのこれだけの事だが舞台から降りてスタジオを出るまでが物凄く長く感じた。
隊列を崩さぬまま、ステージを降りるとそのままスタジオを出た。
スタジオを出ると何故か皆、小走りに楽屋へ向かった。
全員一目散に楽屋に戻ると緊張から解き放たれ解放感に脱力した。
「すげぇー緊張した!」
誰かが発したこの言葉に全員がうなずき、堰を切ったように喋り始めた。
皆が同じ思いでいた事を改めて認識した。
この映像が流れれば番組の宣伝としてはこれ以上ない効果が期待出来るであろう。
また、自分たちがこれで金曜日の8時枠の主役になるのだと言う決意も生まれた。
若葉寮生の仲間たちと共に新たなドラマの幕開けを迎え、自分自身の人生もこのドラマに委ねた。
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