第9話「プロダンサー」
[box03 title=”第9話「プロダンサー」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
高校の同級生7人で、新宿歌舞伎町のコマ劇場7階にある「カーニバルハウス」と言うDISCOに来た。
店に入ると中央で輝いているミラーボールが見え、初めての経験にワクワクしている。
フロアーには色とりどりに光るパネルが埋め込まれ、まるで映画『サタデーナイト・フィーバー』のフロアーのようだ。
開店直後だったので店内は5組~6組の客しかおらず、まだ誰も踊っていなかった。
僕達のグループは7人中5人がDISCO初体験である。
フロアーに立って踊るには勇気が必要だった。
それを見かねたのか仲間の1人はそそくさと出て行き、教室で真似ていた田原俊彦の『哀愁でいと』を踊って戻ってきた。
皆が大爆笑した。
しかしその後に続くものはおらず、先ずは酒の力を借りる事にした。
カウンターで酒を注文して席に戻って皆で乾杯をしていると週末だけあって続々と人が増えていった。
「ジンフィズ」を2杯飲み干した頃には、フロアーもかなり埋まってきた。
熱気と歓声。
大音量で流れる音楽。
音に合わせて変わる色とりどりの光。
エネルギーに満ちた若者が踊っていた。
「そろそろ行こうか! 」
の掛け声で、酔った勢いもあり、7人が一勢にフロアーになだれ込んだ。
皆で輪を作り音楽に合わせて踊り出す。
踊りの上手そうな男を見つけて、そのステップを真似てみた。
案外いける。
仲間達の笑い声に包まれて「こんなに楽しい場所があったんだ! 」と心の底から笑って楽しんでいた。
大音量に身を委ね「何曲踊ったのか? 」「何時間過ぎたのか? 」 全く解らなかった。
フロアーは早くもピークに達する盛り上りだった。
するとDJが少しずつボリュームを絞りながら喋り始めた。
「さあ、お待たせしました! 本日のショータイムが始まります! 」
「ショータイム?」
「どうぞ皆さんフロアーにお集まり下さい! 」
DJの一言でフロアーにはあっという間に人だかりが出来た。
何が始まるのか解らないが、皆で示し合わせフロアーの人垣をかき分けて一番前に陣取った。
「本日のショータイムはプロダンサー・トム&ミッキーのスペシャルパフォーマンスです! 皆さんも一緒に踊りましょう!! 間もなくスタートです!」
「プロダンサー?」
聞き慣れない言葉に初めて「ダンスの世界にプロがいる」のだと思った。
懐かしい「田原俊彦」さんの歌声は↓コチラから
懐かしい「近藤真彦」さんの歌声は↓コチラから