第109話「僕と三好とポテトボーイ」
[box03 title=”第109話「僕と三好とポテトボーイ」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
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「ジャニーズ事務所」から久しぶりに連絡があった。
テレビドラマ「噂のポテトボーイ」の出演がある事とそのスケジュールを伝えられた。
基本的に急なスケジュールやオーディションの時はジャニーさんから直接電話がかかってくるが、決まった仕事の日程やスケジュールなどの業務的な事は事務所からかかってくる。
この頃からジャニーさんからの電話が減り事務所からの電話が多くなった。
やはりジャニーさんから直接電話がかかってくる方が嬉しい。
それだけ気にして貰っていることが解るからだ。
それにしても久しぶりの撮影だった。
この頃一緒にオサラバ坂にに出演した三好圭一君は『家族ゲーム』と言う番組で大ブレークをしていた。
人気も出て毎週テレビに出ている彼に対して嫉妬心もあったのは否めない。
しかし彼は人気が出てもオサラバ坂の時と変わらなかった。
「先輩! 今日泊まりに行ってもいいですか?」
と唐突に電話をかけてきては僕の家に泊まりにきた。
そして他愛無い話をして帰って行く。
後から思った事だがかなりのプレッシャーとストレスを抱えていたのだろう。
何よりもジャニーさんから電話はなく事務所からの連絡の上「三好ってだあれ?」と言われたらしい。
『家族ゲーム』そして『青が散る』そしてその次のドラマにも出演するような事を言っていたが、相変わらずスケジュールの電話が来るもののマネージャーもつかない「ほったらかし」の状態だったようだ。
1人で現場に行って多くの俳優さん女優さんと共演してもただのジャニーズジュニアとして扱われているような孤独感があったのかも知れない。
愚痴とかを言うタイプでは無かった彼は同期のジャニーズジュニアの事を話すと楽しそうだった。
僕もようやくドラマに出たと思いきや、噂のポテトボーイの第8話そして第11話と出演したが大した台詞もなく最初の頃に比べて扱い方もそれなりになっていた。
早く言えば少し台詞があるエキストラである。
最初は同じ学校に通うシブがき隊の相手役の3人と言うイメージだったが、いつの間にか出番もなくなり話が学園を中心にした物語りでは無くなっていた。
第1話の撮影では学校の校庭でシブがき隊の3人と大乱闘シーンがあった。
その時はその他の生徒役にジャニーズジュニアが多数出演していた。
しかしその後は学園内のシーンは無かった。
その日の撮影は小田急線の「梅が丘駅」の近くの飲食店を借りて行われた。
由美(長谷川真砂美)、美香(瞳智恵紀)陽子(安達直)の3人とスナックで落ち合うと言うシーンだった。
シブがき隊の3人が扮する純(薬丸裕英)、和彦(布川敏和)、孝夫(本木雅弘)に悪さをしてスナックで合流する。
店に入り奥の席に座っている彼女達の前に笑いながら座った。
「あの時のあいつらの顔ったら無かったぜ!」
「やっぱりポテトはポテトだな!」
とポテトボーイの悪口を言う。
すると突然、由美(長谷川真砂美)が怒って目の前に置いてあったグラスを掴み僕に水をひっかけると言うシーンだった。
カメラリハーサルでは空のグラスで演技をしてタイミングを把握した。
そして迎えた本番。
カチンコが鳴る。
3人の悪口を言った。
当然一緒に笑うと思った刹那、由美がグラスを持って水をひっかけた。
だがカメラリハーサルのタイミングで目を閉じてしまった。
しかし水が飛んで来ない!
そう思って目を開けた瞬間ビシャッと冷たい水が顔にかかった。
「何するんだよ!」
と台詞を言ってみたものの後の祭りである。
「カッート」と大きな助監督の声がかかった。
「水がかかる前に目を閉じるな!」
「すみません!」
すると目の前の由美役の長谷川真砂美さんも「すみません! 私が悪いんです! 手が滑っちゃった!」
と助監督に言った後、僕に「すみませんでした。グラスを持とうと思ったら滴で手が滑っちゃって、、」と謝った。
「いいえ、つい反射的に目を閉じた自分が悪いんです!」
スタッフがタオルを渡してくれた。
現場が緊張に包まれる。
髪や顔、服の一部が濡れてしまったので一度撮影を中断し、座っていたあたりも入念にタオルで拭く。
僕はメイクさんが用意したドライヤーで髪と服を乾かした。
コップの水も滴が垂れないように冷たくない水を入れた。
2回目の本番。
カチンコが鳴った。
台詞を言うとバシャッと水が飛んできた。
「何するんだよ!」と叫ぶ。
「最低なのはあなた達よ!」
と由美が台詞を言った所で「カット!」の声がかかった。
「OK!」の声がかかり、やっと場が和んだ。
撮影が終わった。
ポテトボーイは全24話だったがこの日のの「第13話の撮影」を最後に二度と出演する事は無かった。
また、途中で柳沢超君が降板し鈴木則行君が出演した。
執筆中💦
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