Johnny's

第84話「坊主頭にした反響」

たけJI

[box03 title=”第84話「 坊主頭にした反響」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


僕らは、テレビドラマの宣伝の為の「断髪式」を行っていた。

頭の真ん中をバリカンで剃られ、逆モヒカン状態になった所で手が止まり報道関係者のための写真提供時間になった。

こんな中途半端な髪型でテレビや雑誌に載るのは、ある意味拷問のようで屈辱的だと思った。

その他大勢のジャニーズジュニアから役者、タレント、アイドルになる第一歩だと思えば、坊主頭ぐらいは屁でもない。

そう思う事にした。

これも含めて、自分で選んだ選択肢の一つであると自分に言い聞かせる。

報道関係者の撮影タイムが終わり、完全な丸坊主頭に剃りこまれた。

頭がスースーする。

自分と言う人間から、「朝倉洋次と言う人間に変わった瞬間」だと思った。

周りを見ると三好君も丸坊主頭になっている。

斎藤康彦君も、北川剛君も、若葉寮生9人全員が丸坊主頭になっていた。

少し異様な光景だとも思った。

また、皆が皆このドラマに賭けている。

そんな熱い思いも坊主頭になった仲間達から感じていた。

断髪式が終わり、丸坊主になった感想を言ったり、言いあったり談笑をしていた。

すると脚本家の岩間芳樹さんの所へ行くようにアシスタントディレクターに言われる。

何人かが岩間芳樹さんと話し終わる所だった。

話が終わったらしく、席が空いたのでそこに座ると「君の役は?」と尋ねられる。

「朝倉洋次です!」

と答えると朝倉洋次の役柄についての説明をしてくれた。

朝倉洋次は東京郊外の八王子市あたりに住んでいて父親、母親、兄の四人家族の次男だと言う家族構成だと説明してくれた。

父親が土地成金で、急に金持ちになり、外に女性を作ったり家に帰らなくなったりして夫婦喧嘩の絶えない家庭で育ち、お兄さんは非行に走り暴走族に入ってしまい、洋次は、なんとか幸せな家族を取り戻そうとするが、誰もがみんな自分の事しか考えない家族が嫌になってしいまい自分も家庭内暴力をふるうようになってしまった。

と、朝倉洋次が愛誠学園に来るまでの経緯を聞かせてくれた。

そして洋次は本当は優しい心を持った少年なのだが、ツッパって心を閉ざして心の内を人に見せないようにわざと悪ぶって人に接するようになってしまった少年なんだと話してくれた。

その役を演じるのが今回の僕の仕事である。

岩間芳樹さんが演者一人一人に今回の役柄を説明し終えると製作発表会、断髪式は終了となった。

皆それぞれに熱い思いと剃りあげた頭で帰路についた。

自宅に帰宅すると一目散に 鏡の前に立った。

丸坊主頭の見慣れた顔に見馴れない頭の自分がそこにいる。

自分である事に間違いないがそれまでの自分では無い事も確かだ。

朝倉洋次。

不意に名前が浮かんだ。

自分は朝倉洋次と言う人間になったんだと思おうとした。

不意に電話が鳴った。

電話を取る。

「もしもし!」

と言うと「この間はゴメンね!」と聞き慣れた彼女の声が聞こえた。

「もう、電話に出てくれないかと思った、、」

声が掠れたていた。

「うん」

返す言葉が出て来なかった。

あの時は僕の仕事が決まった事に賛同してくれなかった彼女に対して、憤りを感じたが今になってみると随分自分勝手で子供っぽい事に思える。

掠れたその声を聞くと多分何日か泣いて声を枯らしてしまったのではないかと思い愛しく思えてきた。

「明日は一緒に学校へ行ける?」

と聞かれた。

現実の世界に引き戻される。

正直な所この頭で学校へは行きたくないと思った。

しかし残された時間はいくらも無い。

「うん。行けるよ。」

と心もとない返事をした。

「じゃあ、明日ね。待っているから!」

と言って電話を切った。

どのみちこの先この頭で生活するのだ。

そう割り切って登校する事にした。

まだ寒さの残る3月の二子玉川駅のホームの端で彼女は待っていた。

僕の頭を見て、流石に目を見開いて少しひきつった笑みを浮かべた。

「本当に切っちゃったんだ!」

と彼女が言った。

「ああ。朝、寝癖も髪型も気にしなくていいから楽だよ!」

と言い返す。

「何だか別の人になっちゃったみたい、、、」

と少し寂しげに言った。

「そう、朝倉洋次って言う人間に変わったんだ!」

と言ったが彼女はリアクションをしなかった。

一緒に乗った電車を降りる時に彼女から手紙を渡された。

それを鞄に仕舞い学校へ向かった。

学校へ着くなり大変な騒ぎになった。

会う奴、会う奴が皆大袈裟なリアクションとスットンキョウな叫声を上げた。

「どうしたの?」

「何やらかしたんだよ!」

「事件起こしたのか?」

「事故った?」

「学校にさせられたのか?」

と、想像以上の騒ぎになって座った席の周りを取り囲まれた。

入学以来パーマや脱色はしたが髪を短くした事すら無かった。

そんな僕が卒業式を目前に丸坊主にして登校したのだ。

学校に丸坊主になって登校した事で質問攻めになっていた。

机の回りを取り囲まれた状態で

「ちょっと、先々の仕事の関係で!」

と言って誤魔化した。

「ドラマに出る!」とは言いたく無い。

僕がジャニーズだと言う事は、数人の親友にしか話してはいない。

学校では多少ツッパっていた。

それが卒業を間近に丸坊主にしてきたのだから何事かと思ったのだろう。

坊主頭になった前列で同級生がバイクで事故を起こした。

横転したバイクが「怖い人達が乗る黒いベンツにぶつかった」と聞いた。

翌日、腕を首から吊り下げてギブスで固めてきた彼は坊主頭になっていた。

その時は退学か停学と引き換えに学校に坊主にさせられたと噂になった。

真意の程は解らないが、運動部以外の奴が坊主頭になったとなれば大概「何かしでかした」と相場が決まっている。

そんな学校だった。

心の中では卒業式まで来るんじゃ無かったと少し後悔した。

挙げ句の果てに1時限目終了後に職員室に呼び出され、担任に事情聴取される羽目になった。

この時ばかりは仕方なく本当の事を話した。

この時の担任は、白髪混じりの七三分けに黒渕のメガネをかけた教師だった。

不良心を微塵も理解しない人間だ。

最も高校時代の教員は殆どそうだったが。

そんな教員に取り囲まれたような職員室で事情聴取をされていた。

「卒業後テレビドラマに出演する事になり役作りの為に坊主頭になった。」

と素直に言ったが難しい顔をしたままで信用していない様子だ。

興味無さげでもある。

「まあ、それが本当なら自分で決めた事だし、親御さんも容認しているなら、こっちとしては言う事はないが」と言った。

いつも上から目線で話して来るのが気に入らなかった。

「校則に触れるような事をしたわけではないのに呼び出された意味が解らない! もう行っていいっすね!」

ぶっきらぼうに言うとまだ何か言いたそうな担任に背を向け、きびすを返して職員室を後にした。

この学校に入って覚えた事。

「革の鞄をペッタンコにする方法。」

「正しい早退の仕方と授業の抜け出し方。」

「教員と一歩隔てて生きていく術。」

「ロッカーには標準服、校外では特別仕様の太いズボンで高校生活をエンジョイする方法。」

「ばれないように原付バイクで登校する方法。」

身に付くような事は何も無い。

卒業式までは学校を休もうと思った。

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