第44話「ANSWER」
[box03 title=”第44話「ANSWER」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
翌朝、僕はいつもより早く家を出た。
原付バイクを飛ばして最寄りの駅まで疾走する。
駅に着くといつもより10分以上は早くついたので、3本早い電車に乗れた。
二子玉川の駅に着くとホームの後ろの方に歩いていく。
多摩川が良く見える。
彼女を待つ。
多摩川を吹き抜けて行く風が心地良い。
ホームの奥に制服姿の女子高生が一人小走りに向かってくるのが見えた。
彼女だ。
僕を見つけるとセミロングの髪をなびかせてさらに速度を上げて走ってきた。
「おはよー! いつもより早いね!」
と少し息を切らせながら彼女が言った。
「誰かさんが変な手紙よこすから返事書いて来たよ! お陰で寝不足だよ!」
と言って便箋を折り畳んだだけの手紙をぶっきらぼうに渡した。
「わー! 手紙貰うの初めてかも~ 嬉しい!」
と言ってはにかんだように笑った。
「何て書いてあるか解らないのに?」
「それはそれよ! 私の為に手紙を書いてくれた事が嬉しいの!」
そう言って満面の笑みで聞いてきた。
「読んでいい?」
言うが早いかそそくさと手紙を広げる。
僕は背を向けてホームから見える多摩川の河原を眺めた。
吹き抜ける風はまだ夏の香りを残している。
「色々悩ませてゴメン!
ひとつだけ言わせて欲しい。
僕にとって君は荷物なんかじゃない! 心の支えだ!
普通のカップルみたいに、毎週日曜日にデートしたり人目が有るところには中々行けないけれど、
普段の日は出来るだけ一緒にいる時間を作るから、もう少しそばにいて欲しい!
お前が大好きだ! だから絶対に別れたくない!」
思っている事を書いた。
我がままだと思うが解ってくれると信じて書いた。
「読み終わったか?」
と尋ねる。
「うん」
と答えた。
振り替えると左目から一筋の涙が頬を伝っていた。
「もぅ、朝から泣かせてどーすんのよ!」
と言いながら涙を拭った。
「昨日渡したあの手紙書くのにどれだけ泣いたと思ってんの! お陰で目が腫れぼったいのが治らないんだからね!」
と言って少しぐずるように泣いた。
向かい合ったまま見つめていた。
「涙がおさまるまで、もう少し電車に乗るの待っててくれる?」
僕は頷いた。
そして右手の親指で彼女の涙を拭った。
「何時間でも待ちますよ!」
と言った。
「ばか。」
そう言って又涙を流す。
気持ちは伝わった。
そう、感じた。
彼女にとっては一生懸命夢を追いかけている僕が好きなのだ。
決してジャニーズに入っている僕が好きな訳では無い。
ジャニーズの話や芸能人に興味を示した事は1度もなかった。
そんな彼女が好きだった。
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