Johnny's

第79話「坊主頭と三好圭一と途中出演」

たけJI

[box03 title=”第79話「坊主頭と三好圭一と途中出演」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


面接をしているプロデューサーが少し間を置いて口を開いた。

「最後に全員にお伺いします」

その瞬間、空気が引き締まりプロデューサーの眼光が鋭くなった気がした。

「今回の役は丸坊主頭になってもらいますが、できますか?」

と聞かれた。

単刀直入に言われた分心に響いた。

多感な年齢でアイドルを目指しているジャニーズジュニアにとって役柄とは言え、さすがに丸坊主には抵抗がある。

更にジャニーズジュニアの同じような年代の少年がたくさんいる中でヘアースタイルが個性を出す唯一のアイテムでもあった。

自分が丸坊主になった姿など想像したこともない。

まるっきりイメージが湧かない。

それはオーディションを受けているメンバーは皆同じ気持ちだろう。

たかが坊主頭、されど坊主頭である。

最初のメンバーは虚を突かれたようにしどろもどろになった。

「マネージャーに相談してから」

と答えた。

勿論ジャニーズジュニアにマネージャーなどいない。

切羽詰まって出た言葉だろう。

その言葉を聞いたプロデューサーは顔色一つ変えずに言った。

「はい、有り難うございました。じゃあ君は?」

と今度は間髪を入れずに僕の目を見ながら尋ねてきた。

僕は意を決して答えた。

「はい! 出演できるなら坊主頭になります!」

プロデューサーの眼を見て答えた。

少しの間ジッと僕の眼を見ていた。

僕も負けじと見つめ返した。

「テレビドラマに出られるなら坊主頭ぐらい、どうって事はない!」

そう思った。

つかの間の間沈黙が支配した。

プロデューサーは視線を逸らして次のメンバーに同じ質問をした。

「君は? 坊主頭になれますか?」

と同じ質問をした。

するとゆっくりした口調で答えた。

「ちょっと、考えたいと思います」

と答えた。

それを聞いたプロデューサーは視線を逸らして、目の前のプリント用紙に何かを書き記した。

「はい。今日は有り難うございました! 後は事務所の方へ連絡します!」

と言った。

3人ともスクッと席を立った。

「有り難うございました!」

と言って退室した。

部屋を出る。

すると次のオーディションを受ける3人が名前を呼ばれ部屋に入って行った。

バタンとドアが閉まる。

見届けると僕も、他の二人も空いた椅子に腰が砕けたように座り込みフウッーとため息を吐いた。

他のジュニアのメンバーが待ってましたとばかりに話しかけてきた。

オーディション待ちのジュニアが聞いてきた。

「どうだった?」

「何を聞かれた?」

矢継ぎ早に質問をしてくる。

「丸坊主になれるかって聞かれたよ!」

と一緒にオーディションを受けたメンバーが言った。

動揺が波紋のように広がった。

「えっ! 坊主?」

「いやー、さすがに無理だよなぁ」

「坊主はキツイなぁ」

「他の仕事出来なくなるよなぁ」

「主役でやるなら考えるかも?」

と皆好き勝手に感想をのべている。

少しの間黙って座って聞いていたが、終わった人間がいつまでもいても仕方がない。

「お先に! お疲れ様でした!」

と皆に声をかけてその場を後にした。

帰宅する電車の中で車窓に映る自分の姿を見ながら思った。

「坊主頭になったらどんな顔になるんだろう?」

車窓に映った自分の姿をジッと見て、髪が無くなった姿をイメージしたが全く想像が出来なかった。

面接形式のオーディションを受けて言うべき事は言った筈だし、思いつく中でベストは尽くした。

「これで駄目なら仕方がない!」

と思った。

後は神のみぞ知る結果を待つしかない。

数日後ジャニーさんから待ちに待った電話がかかってきた。

「この間のTBSのドラマの件だけど!」

といつもの口調で言った。

「今回はね、レギュラーで受かったのは三好だけなんだけどねぇ」

「三好圭一」

背が高く、ホッそりとした体形で、あまりダンスは得意ではない。

だいたい同じ頃から一緒に踊っていたがあまり話をした事が無かった。

今回は落ちたのかと思ったが、ジャニーさんの話は続いた。

「プロデューサーがね、レギュラーではないのだけど、途中から入って来る少年役で、ちょっとユーと話がしたいと言っているから、今から電話番号を教えるから、そこに電話してくれる?」

と何時ものように矢継ぎ早に捲し立てた。

僕はペンとメモ用紙を用意してジャニーさんが言った電話番号をメモをする。

ジャニーさんの電話を切り、直ぐにメモをした電話番号に連絡をした。

電話した先はTBSの制作部である。

直ぐに電話は繋がり名前を告げるとプロデューサーに変わった。

「実は今回はレギュラーではないんだけど、第4話から寮に入って来る役があって、その役をお願いしたいと思っているんですがどうでしょうか?」

と尋ねられた。

「はい! やります!」

と僕は即答をした。

第78話「テレビドラマの面接(オーディション)」へ第80話「ドラマ出演決定と彼女とのDistance」

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