第55話「ジュニアの彼女の予感」
[box03 title=”第55話「ジュニアの彼女の予感」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
二子玉川の彼女の家の近くで立ち止まった。
繋いでいた手を強く握りしめた。
「卒業」
そう言った彼女の言葉に改めて時間が過ぎて行く早さを感じた。
彼女が口を開いた。
「それに明が遠い所に行っちゃう気がするの」
「死ぬのか?」
微かに笑い首を横に振った。
「何かね、遠い存在になって行く気がする」
「こんなに近くにいるのに?」
そう言って顔を近づける。
すでに彼女の家の前だ。
「もう、バカ!」
そう言って彼女から唇を重ねてきた。
なすがまま受け入れるとスローモーションのようにゆっくり、ゆっくりと唇を離してポツリと呟いた。
「そうじゃなくて・・」
「何?」
「高校生最後の年末も、クリスマスも・・二人でいられない気がする」
「そんな事無いよ」
「ううん。なんだか・・明が忙しくなって、会えなくなる気がする」
「・・・・・」
「頑張ってる明が好きだけど、その世界で成功する事はどんどん離れて行っちゃうっていう事だから、応援しなきゃいけないのに、素直に応援できなくて、仕事で逢えないって言われると、、」
少し口ごもりゆっくりと言った。
「ジャニーズじゃなければ良かったのにって思ってしまう事があるの!」
彼女が言っている事はもっともで、それだけ辛い思いをさせてしまったのだ。
「そうだよな」
「でもね、私だけしか知らない事いっぱいあるから、頑張って又テレビに出てね!」
そう言って彼女の方から腰に手を回して抱きついてきた。
「やだ離れたくない!」
「何も言ってないよ!」
「じゃあねって言おうとしたでしょ?」
「そんな事ないよ!」
「嘘つき! 直ぐにわかるんだから!」
「一緒にいたい!」
「いいよ!」
「うそ! 帰ろうとしているくせに!」
「してないよ!」
「あんまりしつこいと嫌われちゃうね」
「嫌いになんかならないよ。」
「信じていいの? 」
「いいよ。嫌いになるぐらいの人だったら4時間も待たないでしょ?」
「ごめんね。何でも言う事を聞くから、何でもするから許して」
「もうとっくに許してるよ!」
「なんかして欲しい事は?」
「ずっと好きでいてくれればそれでいい!」
そう言って彼女を抱きしめた。
「明の事大好きだからね!世界で1番好きだからね!」
そう言ってお互いに唇を重ね合わせた。
それは長い長い抱擁だった。
時計の針は11時を指していた。
お互いに何かを察知したのかこの後起こる事を予感したのか時間を忘れて抱きしめあっていた。
高校時代の思い出として彼女が言っていた主旨とは違うが学園祭の日にずっと待っていた事が1番の記憶として残っている。
逢えるだけで良かったその日々は加速度をつけて急速に過ぎ去って行った。
彼女の予感がどんどん的中していく事になるとは、この時は夢にも思わなかった。
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