第63話「クリスマス色の街へ」
[box03 title=”第63話「クリスマス色の街へ」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
朝の超満員の大井町線の電車に彼女と乗っている。
もしも彼女がいなければこんなに混んでいる電車の真ん中に乗ったりはしない。
彼女がいるからこんな通学に耐えられる。
いや、一緒にいるから、こんな満員電車の中でも楽しい。
その彼女に大事な事を告げなければならなかった。
彼女の顔色が曇るのを覚悟で切り出した。
「ごめん! クリスマスはマッチのコンサートのレッスンがあるから逢えない!」
と彼女に伝えた。
「ふーん。やっぱり。」
と、言う答えが返ってきた。
思ったよりは落胆していないように見えて少しホッとた。
近藤真彦の日本武道館コンサートに出る事になったと伝えていたので、彼女なりに予期していたのかも知れない。
不意に彼女が切り出した。
「じゃあ埋め合わせに、今日学校終わってからデートね!」
「えっ、今日?」
「なんか、用事あるの?」
今日はレッスンが無い事は伝えてある。
「うん! わかった!」
「じゃあ・・・4時30分に自由が丘の東横線のホームね!」
と笑顔で言った。
思えばこの町でアルバイトをして彼女と出会ったのだ。
二人にとっての想い出の地である。
僅か1年と4ヶ月前の事なのに、もの凄く遠い昔のように思える。
1年前の今頃は、毎日行きたい所へ行き、毎日のようにお互いを求めあい、クリスマスには彼女の家にも行っていた。
今年になって4月からはジャニーズに入り日曜日のデートが出来なくなった。
ダンスレッスン、テレビ出演、バックで踊る日々、それは充実している。
時間が過ぎるのが早いと思うのはその為かも知れない。
今は彼女とデートする事が少なくなった。
彼女への愛情と自分の夢への願望の狭間で揺れ動いている。
今の僕にはどちらかを取る事など出来はしない。
彼女がいるから今の僕がいる。
でもジャニーズジュニアでいる事がこれからの僕の夢でもあった。
それが優柔不断だと言うならば、それで構わない。
僕は「アイドル」になりたいわけではない。
ダンスを職業にして、生きていきたいだけだ。
それで、彼女を食べさせていけるようになりたい。
その日の授業は、上の空で早く時間が過ぎるのをひたすら願っていた。
やっと終業のベルが鳴ると、一目散に目蒲線の鵜木駅を目指した。
待ち合わせた自由が丘の東横線のホームのベンチで彼女は待っていた。
僕に気がつき、ベンチから立ち上がるのと同時に急行電車が滑り込んできた。
到着した電車に飛び乗って渋谷へ向う。
息を切らせてきた僕を見て、彼女はクスクスと笑った。
ジャニーズに入ってから学校帰りに二人で渋谷に来たのは初めてだった。
12月の渋谷はすでにクリスマス一色でカップルの数が心なし多い気がする。
ビルの壁には艶やかなイルミネーションが施され、沿道や店先には赤いポインセチアが飾られていた。
遠くから見ると「赤一色」のように見える。
街中がクリスマス色になっているようだ。
そんな「クリスマス色の街」の中へ彼女と並んで歩きだす。
店から漏れるクリスマスソングがさらに気持ちを掻き立てる。
自然に二人で手を繋いで渋谷のセンター街に入っていった。
■ この物語の始まり ■
■ 彼女との出会い ■
■ ジャニーズに入った時の話 ■
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