Johnny's

第57話「ジャニーズジュニアとスクールメイツ」

たけJI

[box03 title=”第57話「ジャニーズジュニアとスクールメイツ」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


その日の夕方の事だった。

突然ジャニーさんから電話がかかってきた。

おもむろに黒電話の受話器を取った僕は一気に緊張した。

「ユーは明日の夕方6時から大丈夫?」

ジャニーさんの電話はいつも唐突だ。

「はい! 大丈夫です!」

と答える。

「明日、6時に表参道の東京音楽学院に来て!」

と、明るめの声で言った。

僕はテレビ番組の「日本歌謡大賞」のマッチのバックで踊る選抜メンバーに選ばれたのだ。

振付があるので、表参道のモリ・ハナエ ビルの裏にある東京音楽学院に来るようと言う事だ。

当時、東京音楽学院は「渡辺プロダクション」と提携しておりスクールメイツは同じ系列であった。

今回はそのスクールメーツとジャニーズジュニアが合同でマッチのバックで踊るのである。

翌日、僕は新玉川線直通、半蔵門線の表参道駅に降り立った。

高校生の僕には、表参道は「大人びた街」と言うイメージだった。

高級そうなブティツクや、飲食店がこれまた高級そうなビルに軒を連ねている。

その華やかな表参道の通りからちょっと裏道に入った所にその建物はあった。

「東京音楽学院」

2階建ての白い、少し古いコンクリートの大きな建物で、その2階が稽古場になっている。

何人かのジュニアとモリ・ハナエビルの前で合流して固まって中に入った。

2階にある稽古場は、稽古場と言うより、どちらかと言えばダンススタジオである。

広くて大きな鏡があり、いかにも芸能学校のスタジオと言う感じがした。

いつも使っているテレビ朝日の第2リハーサル室には鏡はない。

大きな鏡の前で踊れる事を羨ましく思った。

ダンススタジオには男の更衣室が無いのでみんなトイレに行ってレッスン着に着替えた。

ジャニーズジュニアのメンツは、皆バラバラに到着して、順番に着替えてきた。

ジュニアが続々と集まり、全員揃った所でボビーさんとジャニーさんそして年配の男性が入って来た。

「おはようございます!」

と皆一勢に挨拶をする。

その年配の男性はどこかで見た事がある、少し怖い雰囲気を持っている。

パンチパーマが伸びた感じでちょっと細面で目が細い、威厳のあるオーラを放ち「あたかも大先生」と言う感じがした。

一緒にアシスタント風の男性が二人入ってきた事も威厳を感じさせたのかも知れない。

「あいつら揃ってるの? 呼んできて!」

と年配の男性が言うと背の低い方の男性がスタジオを出ていった。

間もなくするとバタバタと人が大勢動く気配がしてスタジオのドアが開いた。

「おはようございます!」

と言いながら女性の大群が20人ほど流れ込んで来た。

次から次へと同じ間隔でスタジオに入り整列していく。

その、揃った行動に正直びっくりした。

最後に先程の男性がスタジオに入り「全員揃いました!」と報告をした。

目の前に並んだ女性陣が一勢に「よろしくお願いします!」と声高らかに揃って挨拶をする。

ジャニーズジュニアの面々は棒立ちのまま呆気にとられていた。

「じゃあ座って!」

と年配の男性が言うとその場でスクールメイツの女性陣が揃って体育座りに座った。

釣られるようにジャニーズジュニアの面々もバラバラにその場しゃがみこんだ。

第56話「100%…SOかもね!」振付へ第58話「振付家・西条満」

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