第58話「振付家・西条満」

[box03 title=”第58話「振付家・西条満」”]あの頃のジャニーズ　夢と彼女とジャニーズと　[/box03]

スクールメーツとジャニーズジュニアが座っている前で一人の男性が立っている。

レッスンを始めるにあたり、その年配の男性が口を開いた。

「西条 満です！」

と自己紹介をした。

テレビの歌番組のテロップで「振り付け 西条満」と良く出ているのを思い出した。

「この人が有名な西条先生なんだ！」

と思った。

そしてアシスタントの男性を紹介する。

スクールメイツを呼びにっ行ったのが菊地先生で、もう一人が浅田先生だと紹介してくれた。

そしてスクールメイツに「ボビーさん」を紹介する。

そして１番最後に西条満先生の口から「ボスのジャニーさんです！」と紹介した。

西条先生とジャニーさんは旧知の間柄だと言う感じが伝わって来る。

会話の端々に付き合いの長さが伺えた。

この時ばかりは和やかな雰囲気だったが、紹介が終わると早速レッスンが始まる。

一気に張り詰めた空気になった。

日本武道館と言う広い会場、広いステージで踊るので構成や見せ方などが普通のテレビや舞台とは違う。

マッチが「ホレたぜ！ 乾杯」を歌うにあたり、ステージ上にマッチがいると言う設定で振付が始まる。

イントロが流れるとマッチは「板付き」でステージ上にいる。

そこに歌い始めるまでに踊りながら、スクールメーツがたどり着きたいのだが、何せ会場が広い。

西条先生が図面を見ながら距離を測り、その距離を踊りながら移動したら何秒かかかるかを割り出す。

そして、ステップを踏みながら移動すると何歩でステージに行けるかを試す。

イントロが流れるのと同時にステージに向かって踊りながら移動すると、歌い出す寸前に４歩歩けばステージ上に辿り着けると判明する。

西条先生は１度動いて振り付けをし、それを菊池先生浅田先生がスクールメイツに教える。

２回動くと「じゃあ曲で！」と言って音楽を流す。

するとスクールメイツは誰１人間違える事なくピタリと揃って動いた。

当たり前のように西条先生は「じゃあ次！」と先に進んで行く。

ジャニーズジュニアの振り付より倍以上早い。

ジャニーズジュニアの面々はいつもより少し緊張しているようだ。

スクールメイツの動きが一段落するとジャニーズジュニアが合流する。

マッチがステージでサビを歌い始める前にジュニアがステージ上まで踊って移動する。

テレビ画面的にはマッチの後ろでスクールメイツが踊っていたのに、歌のサビの部分になると後ろにはいつの間にかジャニーズジュニアが揃っていると言う演出である。

ジュニアの振り付けは比較的簡単でボビーさんが西条先生の傍らでしっかり教えてくれた。

これならジュニアも間違える事なく踊れる。

サビが終わる前に再びスクールメイツが合流してマッチを盛り上げて終わる。

考えられた演出と早い振り付けで２時間でリハーサルは終わった。

「さすが、大先生西条満だ！」と思った。

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