第66話 武道館「ハイティーンブギ」リハーサル
[box03 title=”第66話「武道館・ハイティーンブギ・リハーサル」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
僕たちジャニーズジュニアの面々がステージに向かった。
既にステージ上にはマッチ、少年隊、スクールメイツが揃ってリハーサルをしていた。
そこにジャニーズジュニアが加わる。
ジュニアが全員揃った。
「それではハイティーンブギの場当たりを始めます!」
とマイクを通してボビーさんの声がした。
場当たりとは音楽をかけずに本番で自分が立つ位置を決めるリハーサルの事だ。
ボビーさんがマイクを通してカウントを数える。
それに合わせ舞台の裏からスロープを上り一気に舞台右側、下手の2階席の高さの舞台に駆けて行った。
ステージに立つとその高さに愕然とした。
2階の客席が目の前にある。
高さは床から5メートルくらいはあるだろう。
「高い!」
1メートル程の幅しかない細い長い花道で踊るのだ。
下を見れば高くて足がすくむ。
そこで仲間のジュニアとスクールメイツそしてマッチとすれ違うのだ。
踊るとグラグラと揺れ、少しでもバランスを崩すと下に吸い込まれていくような錯覚に陥る。
「はい! ストップ!」
ボビーさんの声で皆が止まる。
バランスが悪いので両手を広げるように言われ、全員が両手を広げた。
目の前にはアリーナ席を挟んだ反対側のステージに同じように、両手を広げているジュニアの面々が人形のように小さく見えた。
その人形のようなジュニア達が少しづつ広る。
広がりきった所でその場所を覚えるように言われ、サビの部分を踊る。
「ワンツー・スリーフォー・・・」
ボビーさんのカウントに合わせて振りを踊っていた時だった。
「あっ!」
振付け通り手を振り回したら嵌めていた腕時計が外れて下に落ちてしまった。
「うわっ! やばい!」
遠くの方でカキン、カキンと微かに何かにぶつかりながら落ちていく腕時計の音がした。
慌ててステージに来たので腕時計を外すのを忘れてしまったのだ。
もしも自分が落ちたら、とそんな不安が一瞬脳裏をよぎった。
位置合わせが終わった。
今度は音楽に合わせての練習だ。
1度元の位置に戻るように言われる。
運動会のようにジャニーズジュニア、スクールメーツが団体で移動した。
スタンバイの位置につくと静寂が会場を包み込む。
「それではお願いします!」
と言うボビーさんの声の刹那。
つかの間の沈黙を破るように、「ワンツースリーフォー!」
と、バンドマスターの声と共にトランペットの聞き慣れた曲が流れる。
音楽も生演奏だ。
『ハイティーンブギ』のイントロが大音響で流れ始めた。
先程までの不安や恐怖感が無くなり急にテンションが上がってきた。
タイミングをはかって、ステージへ上がる。
そしてスロープを駆け上がり一気に先程の自分の位置に向かった。
マッチの歌声が聞こえる。
踊る。
音と歌声に合わせて踊る。
体中からアドレナリンが出ているのか、テンションが上がっていく。
先程迄の恐怖感は嘘のようになくなり高揚感しか感じられない。
センターステージではマッチが熱唱していた。
その歌声に答える様に、覚えた振り通り勝手に身体が動き踊っている。
頭の中では違う事を考えている。
まだお客さんのいない広い武道館のステージの上でこれから始まる事に期待を馳せていた。
■ この物語の始まり ■
■ 彼女との出会い ■
■ ジャニーズに入った時の話 ■
今日は何位?↓
ジャニーズランキング
懐かしい「田原俊彦」さんの歌声は↓コチラから
懐かしい「近藤真彦」さんの歌声は↓コチラから
懐かしい野村義男&ザ・グッバイの歌声はこちらから
懐かしい少年隊の歌声はコチラから
懐かしい「光Genji」の歌声は↓コチラから
懐かしい「忍者(少年忍者)」の歌声は↓コチラから
懐かしいシブがき隊の歌声はこちらから
懐かしい男闘呼組の歌声はコチラから