第69話「武道館コンサート・クライマックス」
[box03 title=”第69話「武道館コンサート・クライマックス」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]
1万人のファンを飲み込んだ日本武道館。
その満員のステージの上でマッチをお神輿から降ろした。
空になったお神輿をステージの下まで運びスタッフに渡すと急いで楽屋に戻った。
衣装を脱ぎ捨て、次の衣装に着替える。
今度は学生服で自転車に乗りステージ上を一周してくる役割だ。
出遅れや衣装の間違い、着崩れなどをしないためにも早く着替えたい。
そして余裕があれば鏡を見て乱れを直してステージに上がりたい。
楽屋に置いてある姿鏡を見ながら衣装のチェックをする。
みんな考えている事は一緒なので、鏡の前にはジュニアが数人待っていた。
着替え終わり、鏡の前での確認が終わると少し離れた道具部屋の近くに自転車を取りに行く。
自転車を渡す専門のスタッフから自転車を渡されステージの近くまで行きスタンバイをする。
曲が変わった。
出番になり自転車を漕いでステージに上がる。
日本武道館のステージの上を自転車を漕ぐ。
中々できる経験ではない。
が、少し滑稽な気もする。
1万人のファンの歓声が救いだ。
眩しいくらいの照明が行く道を照らしてくれている。
マッチの後ろ姿が見えてきた。
スピードを落とす。
さすがに、スピードを落として、こける事だけは避けたい。
僕は慎重に、笑顔で、マッチの横を通り過ぎた。
センターで歌っているマッチを回って帰ってくる。
時間にして、1分、2分の世界だろう。
コンサートが始まると時間が経つのが早い。
ステージ上にいる時間よりも駆けずり回っている時間の方が遥かに長いのだ。
乗っていた自転車をスタッフにかえし、楽屋に戻る。
出番が終わりホッと一息つく。
すると無性に喉が渇いている事に気が付いた。
楽屋の出入口の近くにスポーツドリンクが氷水に突っ込んである。
その中の1本を取りプルトップを開け一気に喉の奥に流し込んだ。
身体の中に水分が染み込んでいくのが解るようだ。
何もしていなくても汗が吹き出して来る。
一息ついてステージに上がり1曲踊ったら降りて来る。
帰ってきたら、次の衣装に着替える。
それを幾度となく繰り返した。
それでも、心地よい疲労感と、高揚感と充実感に満たされている。
さあ、次の出番だ。
いよいよクライマックスを迎える。
ジャニーズのコンサートの特徴で一旦終わると見せかけてまだ続く演出をする事が多い。
「どうもありがとう!」
と言ってステージを降りてしまう。
ステージ上は音楽が流れ続け照明だけになり、エンディングを引っ張り終わる寸前に衣装替えを終わらせた主役が登場する。
そこから佳境に入る場合が多い。
俊ちゃんも、マッチもそんな演出だった。
今回もマッチが衣装を替えて眩しい程の照明と音楽で再登場をすると武道館は割れんばかりの大歓声に包まれた。
マッチのヒット曲メドレーだ。
何曲かを一人で歌うと少年隊と少年隊ジュニアがステージに飛び出した。
館内のボルテージは最高潮に達する。
そしていよいよクライマックスの『ハイティーンブギ』のイントロが流れる。
スクールメイツとジャニーズジュニア全員がステージにあがる。
ステージ上はお祭り騒ぎの状態である。
全員が一旦バラバラに走り回る。
歌い出す頃には、全員決められた場所に着いた。
勿論僕も、武道館の2階席の前のスロープでその時を踊りながら待っていた。
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