Johnny's

第72話「レコード大賞新人賞受賞!その舞台裏」

たけJI

[box03 title=”第72話「レコード大賞新人賞受賞!その舞台裏」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


帝国劇場。

その名前と厳かな建物に威圧感さえ感じる。

1982年12月31日大晦日。

今までだったら確実にこたつに入ってレコード大賞を見ていただろう。

その見ている筈の舞台の上に僕はいた。

大晦日の夕方4時過ぎ。

帝国劇場の舞台の上、客席から見て1番左側の1番前のポジションでジャニーズジュニアだけの場当たり位置決めをしていた。

蓮の葉っぱのように幾重にもせり出した1メートル四方のセットが組まれその上で踊るのだ。

これは内緒のリハーサルである。

あくまでシブがき隊が最優秀新人賞を取ったら踊るリハーサルなのだ。

この年の新人賞にノミネートされた5組は、シブがき隊、松本伊代、石川秀美、早見優、堀ちえみである(敬称略)。

この中で誰が最優秀新人賞を取ってもおかしくはないのだ。

前評判の高かった小泉今日子も中森明菜もノミネートされていない。

アイドルの当たり年と言われた年だった。

場当たり練習が終わると直ぐに控え室に戻る。

続々と新人賞以外のノミネートされた歌手も到着し始めた。

暫くすれば客席も埋まる筈だ。

足早に居場所に戻る。

とは言ってもジャニーズジュニアの控え室は当然無かった。

地下にあるスタッフと共用のスペースが用意されそこで皆カラフルな私服の衣装に着替え始めた。

僕はワインレッド色のコーデュロイのパンツに白地に赤いラインが入ったディズニーキャラクターのセーターを着てスタンバイをしていた。

彼女とお揃いのセーターを着る事は誰にも言っていないが、テレビに映れば彼女には解るだろう。

ヘアースタイルを整えるのに鏡がないので争うように男性トイレの鏡前を奪い合っている。

スタッフが慌ただしく動き始め、やがて姿を見かけなくなり静まった頃には本番が始った。

モニターから音声と音楽が流れてきた。

「輝く! 第24回日本レコード大賞! 」

「皆さん今晩は! 司会の高橋圭三です!」

テレビで聞きなれた声が聞こえて来る。

番組が始まったのだ。

新人賞にノミネートされた歌手が紹介される。

そして5組がノミネート曲を順番に歌っていく。

始まってしまうと呆気ないほどに時間が経つのが早い。

5組目の歌手が歌い始める頃にはスタンバイに向かった。

ジュニアが上手と下手にそれぞれ別れて舞台袖で待機する。

僕は下手の袖でその時を待った。

ステージ上に、松本伊代、早見優、石川秀美、掘ちえみ、そしてシブがき隊の5組の歌手が歌い終わり一例に並んでその時を待っている。

「それでは発表します!最優秀新人賞は!」

固唾を飲み飛び出す準備をする。

一瞬静寂が支配した。

「100%、、、SOかもね!をお歌いになったシブがき隊の皆さんです!」

言い終わるや否や一斉にジャニーズジュニアがステージ上に飛び出した。

僕も間髪を入れずに飛び出す。

シブがき隊の周りにジャニーズジュニアが祝福の輪を作る。

僕は画面左側の「ふっくん」事「布川敏和」君の左後ろに立った。

想定外だったのは同じ事務所の先輩としてマッチと俊ちゃんがステージに上がった事だ。

そして「やっくん君」が泣き出した事である。

受賞のインタビューをされてもすすり泣きをして隣の「モックン」に支えられながら何とか答えている状態だった。

それを見かねた事務所の先輩俊ちゃんもヤックンを支える。

シブがき隊の1人1人に受賞の喜びをインタビューをするのだが、ヤックンは嗚咽が止まらない。

インタビューが終わると賞状の授与が行わた。

この間はジャニーズジュニアは、ステージ上でにこやかに立っている。

僕は笑いながら、俊ちゃんにぶつからないように踊る場所に行く方法を考えていた。

「それでは受賞の喜びも新たに歌って頂きましょう!」

とアナウンスが流れ前奏がかかった。

予定にはないマッチと俊ちゃんがいるので移動するための動線が変わってしまう。

僕は俊ちゃんの直ぐ後ろを通る事にした。

シブがき隊が歌い出す。

僕はぶつからないように俊ちゃんの後ろを通る。

ワンステップを踏みながら拍手をするジャニーズジュニアをチラリと見ると俊ちゃんは動きに合わせて踊り、何事もないようにジュニアを通した。

「さすが俊ちゃんだ!」

と思った。

マッチはその場で手拍子だけをしている。

サビの部分を歌い終わる前にジュニアは踊る位置に大きく広がった。

先輩二人を上手く交わしたようだ。

僕は画面左の一列目に何とか大股でたどり着き踊り始めた。

照明が明るいので客席も数列先まで人の顔がハッキリ見える。

その先にはテレビカメラの赤いランプが光っているのが見えた。

「ここで踊っているぞ!」

と言う気持ちで帝国劇場の舞台の上で生放送で踊っている。

一つの夢が叶った瞬間だった。

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