Johnny's

第1話 「始まりはフォーリーブス」

たけJI

[box03 title=”第1話「始まりはフォーリーブス」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]

僕がはじめて、その存在を知ったのは小学生の低学年の頃だった。

毎週木曜日に『歌え! ヤンヤン!』と言う番組が放送されていて、「フォーリーブス」と言う4人組のアイドルグループが司会をしていた。

当時のテレビはまだブラウン管で、スイッチを引っ張ると画面の中央から異次元の世界が広がるような旧式のテレビだった。

そのテレビの向こう側で、フォーリーブスの4人がステージに登場すると、何百人と言う女性客が「キャーキャー」と黄色い声援を送っている。

均等に並べられた4本のスタンドマイクの前に4人が並んで歌って踊り出す。

「何だこれ? 」と思いながらもその異様な熱気に包まれた番組を「見せられて」いた。

「見せられていた」と言うのは2歳年上の姉がフォーリーブスのファンであり、他の番組を見ることは許されなかったからである。

夕方5時過ぎからマンガ(アニメ)を見続けていたので、流石に少しは譲ってあげようとも思い、最初は仕方無く見ていた。

番組が始まるとオープニングで歌を唄った後は、ゲストとトークをしたり、ゲストの歌が続いた。

しばらくすると又、フォーリーブスが歌を唄いはじめた。

すると歌っている途中に、画面向かって左側のメンバーの中では背の低い人が舞台の端に行き、走り込みながら、側転(ロンダード)、バック転、バック転、バック転、バック転、そしてバック宙を決めた。

僕は画面に食い付いた。

「おー! スゲー、カッコいい! 」

と身を乗り出した。

当時ハナタレ小僧だった僕は「バック転」は『仮面ライダー』か『ウルトラマン』ぐらいしか出来ないと思っていた。

それが音楽に合わせて、歌って踊ってバック転をして、バック宙までするのだから、ヒーローのように一瞬にして憧れた。

そしてフォーリーブスと言う4人組にも興味を抱いた。

「歌って踊って司会をして、何て凄いグループなんだ! 格好いい! もっと見たい! 」

そう思ったが1時間の番組ではフォーリーブスが歌って踊るのは1、2回でバック転はそうそう見せてはくれなかった。

「また、来週になれば見れる筈だ!! 」

そう思い、それからは毎週木曜日にその番組を見るのが楽しみになった。

もちろん「バック転」が見たいからであるが、フォーリーブスの歌やダンスにも興味を持ち始めた。

僕が初めて芸能人と芸能界に興味を抱き憧れた瞬間だった。

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