Johnny's

第90話「緊急招集! 緑山スタジオへ急げ!」

たけJI

[box03 title=”第90話「緊急招集! 緑山スタジオへ急げ!」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


僕は翌日、彼女と「二子玉川」にあるレストランで早い夕食を食べていた。

卒業式にできなかった二人だけの卒業祝いである。

ワンピース姿の彼女と向かい合って食事をしていた。

次の撮影まで2週はあるので、その間に教習所を卒業しようと思っている。

そんな話をしていた。

「免許を取ったら何処に行きたい?」

「海に行きたい!」

「解った。じゃあ初めてのドライブは江の島か湘南かな・・・?」

「えーっ、どうせなら伊豆とか一泊できる所が良くない?」

「いきなり高速乗って遠出?」

「その方が早く運転に慣れるんじゃない?」

「まぁね・・ 所で今日はこの後どうする?」

と聞くと何かを思い出したように彼女が言った。

「あっ、そうだ! お母さんに買い物を頼まれていたんだ! ゴメン、ちょっと電話してくるね!」

と言って入り口にある公衆電話に向かった。

その後ろ姿をぼんやり見ていた。

もう学生ではないと言う解放感が気分を良くした。

久しぶりにディスコにでも行きたいが坊主頭では気が引ける。

ボーリング、ゲームセンター、カラオケ、映画、ビリヤードとやろうと思えば今から何でもできる。

あれこれと考えていると血相を変えて彼女が戻ってきた。

「大変! うちに明のお母さんから何度も電話がかかってきてるって!」

「!?」

「緑山スタジオに直ぐに来て欲しいって! TBSから電話があったんだって!」

「えっ!?」

一瞬で目が覚めたように妄想は崩れ去り急に頭が回り始めた。

「ちょっとうちに電話してみる!」

と言って席を立って、さっきまで彼女が使っていた公衆電話の前に立った。

実家に電話をかけると直ぐに母親が出た。

「どうしても撮影したいシーンがあるから連絡がついたら直ぐに来て欲しいって!」

「それは何時頃?」

「4時と4時半と5時過ぎにもあったわよ!」

今は6時過ぎだ。

「じゃあ今から行く!」

と言った所でハッと緑山スタジオの行き方を把握していない事に気がついた。

詳細を記載してある台本は自宅にある。

「台本が家にあるから、一度戻るよ!」

と言うと

「えっー、遅くなっちゃうでしょう? お父さんいるからちょっと聞いてみようか? お父さん!」

と電話口の向こうで親父に何かを話している。

「お父さんが、台本もって鷺沼駅まで行って、そこから緑山スタジオまで乗せてくれるって言うから!」

渡りに船とはこの事で今は一刻でも早く行かなければならない。

「解った! じゃあ鷺沼駅へ行って待ってるよ!」

と言って電話を切った。

店内を見ると彼女が気をきかせてレジで支払いを済ませていた。

「ゴメン! 今度必ず埋め合わせするから!」

「いつになることやら! まあ期待しないで待ってるわ! 頑張ってね!」

「ありがとう! 行ってくるよ!」

そう言って僕は二子玉川駅の改札口へ走った。

滑り込んできた電車に飛び乗った。

二子玉川から鷺沼駅までは7駅、十分程度で行ける。

田園都市線の鷺沼駅に電車が着くと急いで階段をかけ上がり改札口を出る。

目の前にロータリーが有り、その右側に見慣れたトヨタ・マークⅡが滑りこんできた。

親父の車だ。

おもむろに近づき助手席側のドアを開ける。

「悪いね! 場所解る?」

と乗り込みながら親父に聞いてみる。

「ああ、近くにゴルフ場があるんだよ。そこに行った事があったからな!」

と言う返事が返ってきた。

「じゃあ頼むね!」

と言うと車は動き出して夜の国道246号線に合流していった。

国道246号線は通称厚木街道と呼ばれ多摩川を越えると玉川通り、都心に入れば青山通りと呼ばれる。

中学生の頃はまだ道路のバイパスや立体交差が開通しておらずどこも工事中だった。

車道も狭かったのでよく渋滞していたが、今では車道も広くなり渋滞は緩和されている。

そんなに飛ばしたわけではないが、すぐに「こどもの国」と書かれた看板が見えてきた。

車は「こどもの国通り」と言う道に入る。

それまで明るかった国道とは違いかなり暗くて狭い道路になった。

前の方に対向車のヘッドライトが遠くに見える。

やがて大きな弧を描いてすれ違って行った。

「もう着くぞ!」

と親父が言った。

見覚えがある「こどもの国」と書かれた入り口を通り過ぎる。

中学校時代にマラソン大会で来た場所だ。

その先にある真っ直ぐな坂道を上り始めると「これがそうだろう?」と親父が言った。

右側に大きな建物があった。

幾つかの部屋のライトが煌々と点いている。

そこが目的地でなければ何かの施設か研究所だと思っただろう。

マークⅡが坂道を登って行くと、中腹に警備員がいる出入口があった。

そこで一旦止まり、ゆっくりと右折してゲートの前に停車する。

警備員が小さな小屋の窓を開けてこちらを怪訝そうに覗きこんだ。

「どちらまで?」

「オサラバ坂に陽が昇るの収録でM4スタジオに行きます!」

と大きな声で言うと目の前のゲートが上がった。

マークⅡは滑るように動き出し坂道を下り道なりに走ると大きな玄関にたどり着いた。

ホテルの入り口のような豪華な作りだ。

親父に「サンキュー!」と言って車を降りる。

動き出した車に手を上げて礼を言うと、急いで玄関に入って行った。

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