Johnny's

第94話「撮影中の右肩脱臼」

たけJI

[box03 title=”第94話「撮影中の右肩脱臼」”]あの頃のジャニーズ 夢と彼女とジャニーズと [/box03]


テレビドラマのワンシーン。

「一つの場面」はいくつものカメラのカット割りがおこなわれている。

今日の撮影では鑑別所の入り口に柴田恭兵さんが運転するジープが止まると言うカットから始める。

正面から車が走ってくるカット、角度が変わり正門の前に車が止まるカットと2回は撮ることになる。

撮影は、カメラリハーサル、ランスルー、本番と3回は同じ事を行う。

そのたびに50メートル先に車を戻し、走り出して止まる角度、止まる位置、タイミングなどを微調整をしながら撮影をしていく。

1回のシーンで8秒程度でも、スタンバイからカット、また、元の位置に戻り微調整すると実際には10分はかかる。

それを3回やれば単純計算しても30分はかかるのだ。

最初の場面では車が止まったら、矢崎滋さんにうながされて車に近付き乗り込むと言う場面の撮影だ。

「本番!」

の掛け声で空気が引き締まる。

「5秒前、4、3、」とカウントダウンが始まる。

「0」のタイミングでカメラの隣にいるスタッフが台本を持った手を振り下ろす。

その合図で恭兵さんが運転するジープが走り出しカメラの前に止まる。

「オーケーです!」

と言う声が出て次のカットに入る。

カメラ位置を変える。

やや後ろから車が滑り込んできて僕の目の前に止まる。

矢崎滋さんに促され、止まったジープの左側に歩み寄るカットだ。

その撮影が終わると今度は柴田恭兵さんが僕に話しかけるようにカメラに向かって台詞を言うバストアップを撮影する。

次に何も答えず視線を合わせない僕を撮影する。

そして、3人を乗せたジープが走り出す。

ここまでが「シーン1」と台本に書かれている場面だ。

カメラリハーサル、ランスルー、本番と3回行うと1シーンを撮るだけで1~2時間はかかる。

最初は緊張して思ったような演技が出来なかったが次第にペースを掴み、気持や表情、目線などに気を配り演技が出来るようになった。

その後はジープに乗っているシーンの撮影だ。

カメラマンがジープに乗り込み車内の様子を撮影するのだ。

矢崎さんが色々話しかけるが何も話さず会話が無いまま愛誠学園に到着する。

車を降りて矢崎さんと学園に入るとこのシーンは終わるのだが、合間に回想シーンが入っていた。

まだ着工していない住宅建設予定地を走って逃げ回るる朝倉洋司。

後ろから二人の刑事が追いかけて来る。

みるみる差が詰まり、洋司は抵抗するが刑事に背負い投げられる。

そのまま手錠をかけられ、パトカーの後部座席に刑事に挟まれ乗せられ連行される。

と言うシーンだった。

このシーンの撮影を僕は一番懸念していた。

右肩に脱臼癖があり「背負い投げられる時に脱臼してしまうのではないか?」

と言う不安があったからだ。

野球のボールを全力で投げるだけで肩が抜けてしまう程の癖なのだ。

ジャニーズに入ってバック転の練習をしていた時にも肩を脱臼している。

もっとも脱臼しても自分で直ぐに入れられるので大騒ぎにはならない。

しかし、後から来る「針で内側から刺されるような痛み」は筆舌できぬ程の苦痛だ。

カメラリハーサルの時に、一応、刑事役の役者さんに「右肩に脱臼癖があるのでご配慮願います」と伝えた。

しかし

「撮影が始まったら手は抜けない!」

と言われてしまった。

もっともである。

だからそれ以上は何も言わなかった。

そしてついに本番が始まる。

僕はカウントダウンと同時に走り始めた。

数メートル離れて刑事役の役者さんが追いかけてくる。

カメラマンもカメラを持って追いかけてきた。

草むらの上で先回りしてきた刑事と追ってきた刑事の挟みうちにあう。

必死に振りほどき逃げようとしたその時だった。

追いかけてきた刑事に腕を捕まれ腰に乗せられ地面に叩きつけられた。

一本背負いが鮮やかに決まった。

地面が逆さまに見えた。

背中に衝撃を感じる瞬間右肩が悲鳴を上げる。

「グキッ!」

と鈍い音と共に右肩に痛みが走った。

肩が抜けて右腕に力が入らなくなった。

その腕を捕まれたままうつぶせになり、右腕だけ背後に回された。

「止めろ! 離せよ !」

と演技は続けていたが、明らかに肩が抜けている。

後ろ手にされた手に手錠がかけられた。

「おとなしくしろ!」

と刑事が言う。

その体勢になると実際に身動きが出来ず抵抗する事も出来ない。

右肩には違和感がある。

肩が抜けていて力が入らない。

しかし芝居を続けた。

「立て!」

と刑事が言い、半ば強引に立ち上がる時だった。

「ボコッ!」

と言う音が右肩から聞こえた。

抜けていた肩が入ったのだろう。

猛烈な痛みが襲って来る。

両手に手錠され後ろ手にされたまま立ち上がると僕の前にカメラが回り込んで来た。

痛みのせいもあり苦渋の表情になっているであろう事は想像に難くない。

僕は肩の事がばれないように捕まった事が悔しいような演技を続けた。

このシーンの取り直しだけは避けたい。

ただひたすら耐えた。

「カット!」

と声がかかる。

スタッフが駆け寄ってきて手錠が外された。

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